「保護区」でさえもなりふり構わず自らの「私利私欲」に利用する(写真はイメージです)
 

 2020年第2四半期(4~6月)決算で、大手国際石油会社が軒並み巨額の赤字を計上したことについて、筆者は『日本経済新聞』の「読み方」に異論を唱えた(2020年8月7日『「欧米メジャー」赤字決算『日経』が見落としている「本当の読み解き方」』)。

『日経』が、

〈業界の転換点にあるなか、メジャーが主導した権益の入れ替えやM&A(合併、買収)が一段と広がる可能性がある〉

 と結論付けているのに対し、

〈「エネルギー移行」に対応できる経営体制、すなわち「More Energy Less Carbon」という二律相反する課題に正面から取り組む体制への転換を試みていることの表れと見る〉

 としたのだ。

 実は、この書き方では読者の皆さんに不親切で、端折りすぎだったのでは、と反省している。

 補足説明をすると、次のようになる。

『日経』が指摘しているように、経営者が「権益の入れ替えやM&A(合併・買収)」を行うモチベーションは何かと言えば、石油開発業界では「保有確認埋蔵量」の増減が「経営者にとっての通信簿」の一部をなしているからだ(2020年7月25日『『日経新聞』では分からない米石油メジャー「大手シェール業者M&A」情報「本当のポイント」』)。

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