「デジタル円」の利用料をゼロにできるか?
2020年9月10日

リブラ公式HPより
CBDC(中央銀行デジタル通貨)の利用料金は、ゼロに近い必要がある。中央銀行がリテール段階まで担当すれば、必要費用を中央銀行が負担することにより、これが可能だ。ところが、デジタル円も含め、多くのCBDCは、リテール段階では既存の電子マネーを用いる。日本の電子マネーの著しく高い利用料金をゼロ近くに引き下げるには、利用履歴をビッグデータとして利用し、そこから収益を上げるビジネスモデルに転換する必要がある。
デジタル円の利用料はゼロである必要
日銀券の利用料金はゼロだ。だから、利用料金をゼロに近くしなくては、デジタル円は成立しないと考えられる。
もっとも、これについては、つぎのような議論がありうるだろう。
現在、料金がゼロなのは、日銀券を対面で利用する場合であり、遠隔地に送金する場合には、銀行の口座振替等を利用する必要があるので、費用が発生する場合が多い。
マネーは日銀券と銀行預金からなるが、これらのうち、日銀券の利用料金はゼロだが遠隔地には送れず、銀行預金は遠隔地に送れるが料金がゼロでないのだ。
「だから、遠隔地に送ることができるデジタル円の料金はゼロでなくてもよい」という議論だ。
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