コロナ対策で急増した国債残高は深刻な問題を引き起こす
2020年9月17日
コロナ期に急増した財政支出は国債で賄われる。その結果、国債残高が急増し、新規の国債発行は困難になる。これに対処する第1の方法は、日本銀行が額面より高い価格で買い上げることだ。しかし、そうすると、国債償還時に日銀に損失が発生する。
第2の方法は、マイナス金利を放棄し、日銀当座預金に付利することだ。しかし、短期金利が上昇すると、付利は巨額なものになりうる。
国債残高が1000兆円を超える
4月 20 日に閣議決定された新型コロナウイルス感染症緊急経済対策は、事業規模が117.1兆円のものとなった。補正予算は27.5兆円で、そのうち一般会計が25兆6914億円だ。一般会計の補正予算での増加25兆6914億円のすべては、国債の追加発行で賄う。
5月27日に閣議決定された第2次補正予算案では、事業規模は117.1兆円で一次補正と同じ。一般会計の補正予算での増加31兆9114億円のすべては、国債の追加発行で賄う。
国債の新規発行額は、20年度には90兆1500億円となる。
この結果、2020年度末の普通国債残高は、約964兆円となる。 財投債を含む国債残高は1033兆円に増加する見通し。これは、今年度の税収見込みの約16倍になる。
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