リブラ公式HPより

 

 IDやパスワードを金融機関などが管理する現在の仕組みでは、いくらセキュリティを強化しても、完全に安全な金融システムは作れない。この問題を解決するには、本人がIDなどを管理する「分散型ID」によるしかない。

脆弱が暴露された日本の金融システム

「ドコモ口座」事件をきっかけに、日本の金融システムの安全性に対する疑念が強まった。

 金融システムの安全性は経済活動の最も基本的な条件だが、それが日本では不十分なことが分かったのだ。

 現在の日本では、銀行預金の安全性が完全には確立されていない。経済活動の最も重要な基礎が壊れているわけだ。金融庁は、この問題の深刻さを認識する必要がある。

 今回の事件を契機に、ワンタイムパスワードや2段階認証などのセキュリティ強化策が必要と言われている。それは必要なことだが、万全とはいえない。

 どんなセキュリティ強化策をとっても、犯人がプロ集団であれば、突破される可能性が高い。

 IDやパスワードを金融機関などが管理する「中央集権型ID」には、限界があるのだ。

公開鍵暗号による暗号化

 しかし、だからといって事態が絶望的であるわけではない。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。