「PCR検査拡充」なくして「経済回復」なし

執筆者:上昌広2020年10月8日
仙台市では、歓楽街・国分町の飲食店従業員に対する無料のPCR検査が、10月3日から始まった (写真は直前のデモンストレーション)(C)時事

 

 新型コロナウイルスの感染拡大がいまも止まらない。

 米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によると、世界の死者の総数は9月29日に100万人を超えた。感染拡大が深刻なのは米国、インド、ブラジルだ。死者数は、それぞれ21万人強、10万人強、15万人弱である(10月7日)。

 ただ、状況は変わりつつある。北半球が秋から冬に向かい、欧州でも感染が拡大しているのだ。

 各国は対応に余念がない。スペインでは首都マドリードの一部の地域でロックダウン。フランスでは屋外でのイベントの入場者制限、午後8時以降の屋外での酒類販売と飲酒の禁止。英国では飲食店の深夜営業禁止や在宅勤務を推奨し、ドイツでも公共の場所や貸会場でのパーティーの参加人数が50人以下に制限されるようになった。

 では、日本はどうだろう。欧州とは対照的だ。9月18日に「Go Toトラベル」の東京発着旅行の予約を解禁、19日にはイベント制限を緩和し、10月からは海外との渡航制限も一部解禁する。

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