医療崩壊 (42)

「PCR検査拡充」なくして「経済回復」なし

執筆者:上昌広 2020年10月8日
エリア: アジア
仙台市では、歓楽街・国分町の飲食店従業員に対する無料のPCR検査が、10月3日から始まった (写真は直前のデモンストレーション)(C)時事

 

 新型コロナウイルスの感染拡大がいまも止まらない。

 米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によると、世界の死者の総数は9月29日に100万人を超えた。感染拡大が深刻なのは米国、インド、ブラジルだ。死者数は、それぞれ21万人強、10万人強、15万人弱である(10月7日)。

 ただ、状況は変わりつつある。北半球が秋から冬に向かい、欧州でも感染が拡大しているのだ。

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執筆者プロフィール
上昌広(かみまさひろ) 特定非営利活動法人「医療ガバナンス研究所」理事長。 1968年生まれ、兵庫県出身。東京大学医学部医学科を卒業し、同大学大学院医学系研究科修了。東京都立駒込病院血液内科医員、虎の門病院血液科医員、国立がんセンター中央病院薬物療法部医員として造血器悪性腫瘍の臨床研究に従事し、2016年3月まで東京大学医科学研究所特任教授を務める。内科医(専門は血液・腫瘍内科学)。2005年10月より東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究している。医療関係者など約5万人が購読するメールマガジン「MRIC(医療ガバナンス学会)」の編集長も務め、積極的な情報発信を行っている。『復興は現場から動き出す 』(東洋経済新報社)、『日本の医療 崩壊を招いた構造と再生への提言 』(蕗書房 )、『日本の医療格差は9倍 医師不足の真実』(光文社新書)、『医療詐欺 「先端医療」と「新薬」は、まず疑うのが正しい』(講談社+α新書)、『病院は東京から破綻する 医師が「ゼロ」になる日 』(朝日新聞出版)など著書多数。
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