地域金融機関の再編も避けられない状況ではあるが(写真はイメージです)
 

 日本銀行は11月10日、「地域金融強化のための特別当座預金制度」の導入を決めた。

 同制度に対しては、「日銀が政府と一体になって地域金融機関の再編を後押しする」との見方が一般的だ。だが、この制度の裏側には、日銀の別の狙いが“見え隠れ”している。

「再編を後押しする制度」と喧伝

 菅義偉首相が就任に際し、

「地方銀行は数が多過ぎるのではないか」

 と発言したことで、地域金融機関再編への流れは一気に加速した。この背景については、9月28日の拙稿『菅首相が進める「地銀再編」と「携帯料金引き下げ」の点と線』で詳しく解説しておいた。

 つまり、そこで指摘しておいた、11月27日から10年間の特例措置として施行される「同一県内の地銀同士の統合・合併を独占禁止法の適用除外とする特例法」を足掛かりに、菅首相の発言によって事態は大きく動き出したのである。

 日銀は今回の制度を、

「地域金融機関が将来にわたり地域経済をしっかりと支え、金融仲介機能を円滑に発揮していくための経営基盤の強化に資する」

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