エネルギーを「持たざる」日本は、この寒波で電力需要増大(逼迫)から停電の危機も?(写真はイメージ)
 

 日本を含む東アジア向けLNG(液化天然ガス)スポット価格(JKM=ジャパン・コリア・マーカー=として「NYMEX」にも上場されている)が高騰している。

『フィナンシャル・タイムズ』(FT)でも報じているほどだ。

 半年前の2020年夏には2ドル/MMBTU(百万英国熱量単位)程度だったものが、今年に入って10倍の20ドル水準となっている(2021年1月8日現在。12日には39ドル台での取引が伝えられている)。

 当然、現物スポット市場に「売り」に出ているものは少なく、買い手当てするのも困難で、これが一因となって燃料不足のため寒波に襲われている日本で停電が発生するかもしれない、と見る向きもある。

 筆者はまったくフォローしていないのだが、卸電力取引所ではとんでもない価格になっているそうだ(『ブルームバーグ』2020年1月7日「寒波で電力需要がひっ迫、6日連続最高値更新―異例の要請も」)。

 筆者は2020年6月17日、読者の皆さんに「LNG」の基本知識をご理解願いたいと、本欄に『市場から追い出されている「米国産LNG」の苦境』を書いた。

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