ディエム公式HPより

 

 CBDC(中央銀行デジタル通貨)やディエムのようなデジタルマネーが発行されると、銀行預金が流出し、銀行は「ナローバンク」になる。中央銀行が果たすべき役割も大きく変わる。

 ここでの重要なポイントは、取引情報の活用だ。銀行がその活用を中心とするビジネスモデルに転換できるか? また、個人情報を把握する主体として、国と民間主体のどちらが望ましいか? が問題となる。

銀行がナローバンクになり、CBDCの仲介だけを行う

 CBDCの導入は、現実世界においては、さまざまな規制や利害関係などの制約条件を考慮しつつ行われる。だから、理想的な仕組みが実現できないこともありうる。

 では、そうした現実的制約を考慮せず、全くの白紙に未来図を描くことが許されるとしたら、どのような仕組みが考えられるだろうか?

 前回述べたように、CBDCは決済手段としてきわめて利便性の高いものなので、それが発行されれば、広く使われることになる。したがって、人々はこれまで決済手段として使っていた預金を取り崩して、CBDCを購入する。つまり、預金からCBDCへの移行が起きる。

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