ROLESの設立：中東研究と発信の拠点形成を目指して

この欄への寄稿がなかなかできないてきた。中東情勢はいよいよ興味深い展開を示しており、皆様に解説したい事象は目白押しである。しかしいい加減なことはかけない。『フォーサイト』への寄稿であればこそ、単にニュースを拾って直近の意味を解説するだけでなく、事象の背景・経緯を詳らかにし、将来の展望も示すぐらいはしなければ、とハードルを高くしているうちに、時期を逸してしまう。ではより長期的な視野から、と考え始めると、これはまたすぐには書き終えられない大きなテーマを構想してしまう。

そうこうしているうちに、お世話になった内木場前編集長が、紙面・システムの大幅な改修を行った上で、異動になってしまった。ここは誌上でも御礼申し上げたい、などと思っているうちにまた時間が経ってしまう。

最近は一体何で忙しくしているかというと、組織づくりである。調査研究を行い文章を書くという「プレイヤー」としての仕事だけでなく、研究を可能な場を確保し設定し、他の人が研究をしやすくするようにしていく組織者としての仕事が格段に増えてきている。

これまで東大の研究室は私だけの「ひとり研究室」だったが、2020年4月以降、大規模予算を複数導入して、いきなり10人規模の研究室に膨れ上がった。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。