「ネット上の統一政府」ミャンマーNUGが国際社会に迫る踏み絵
2021年5月12日
5月11日、ミャンマーでクーデターが起きてから100日となった。
今年2月半ばの拙稿で懸念した悪いシナリオが現実のものとなった。国軍が強硬姿勢に転じ、力で抵抗を抑えにかかったのだ。平和的なデモに向かって実弾が使用されたばかりか、戦場で使用される殺傷能力の高い武器も弾圧に投入されて、多くの死傷者が出ている。
非政府組織である「政治囚支援協会(AAPP)」によれば、現在まで780人を超える市民が犠牲になり、現在拘束されている人の数は3800人を超える。
もはや和解を想像することが難しいほど、軍と民主化勢力との間に対立が生まれている。一方で、軍が抵抗する市民を「秩序破壊者で法を破る暴徒」と呼び、他方で、民主化勢力は「不正義に絶対に屈しない」(指導者のひとりであるサ・サの言葉)といっさい引く気配を見せてない。
だが、ミャンマー国内の状況は、軍の実効統治が広がりつつある。デモのような目につく抵抗は明らかに減った。強硬策が表面的には効果を発揮していると言えそうだ。
第一の都市ヤンゴンの場合、2月までに見られた、街頭を市民が埋め尽くすような集会は、もはや考えられない。市民ができるのは、予告無しでゲリラ的に行進をしてその場を立ち去る、いわゆるフラッシュモブ型のデモである。
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