「ネット上の統一政府」ミャンマーNUGが国際社会に迫る踏み絵

執筆者:中西嘉宏 2021年5月12日
カテゴリ: 政治
エリア: アジア
オンラインでの活動が統一政府(NUG)の命綱(ホームぺージより)
ミャンマー国軍に抵抗する「統一政府」が正統性をアピールする一方、国内では国軍の実効支配が広がりつつある。深まる対立とともに浮かび上がるのは、双方の間で揺れ動く国際社会のジレンマだ。

 

 5月11日、ミャンマーでクーデターが起きてから100日となった。

 今年2月半ばの拙稿で懸念した悪いシナリオが現実のものとなった。国軍が強硬姿勢に転じ、力で抵抗を抑えにかかったのだ。平和的なデモに向かって実弾が使用されたばかりか、戦場で使用される殺傷能力の高い武器も弾圧に投入されて、多くの死傷者が出ている。

 非政府組織である「政治囚支援協会(AAPP)」によれば、現在まで780人を超える市民が犠牲になり、現在拘束されている人の数は3800人を超える。

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執筆者プロフィール
中西嘉宏 中西嘉宏 京都大学 東南アジア地域研究研究所准教授 。1977年 兵庫県生まれ。東北大学法学部卒、京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科修了、博士(地域研究)。日本貿易振興機構・アジア経済研究所研究員を経て、2013年から現職(2017年に東南アジア研究所から東南アジア地域研究研究所に改組)。ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際関係大学院客員研究員、ヤンゴン大学客員教授などを務めた。 著書に『軍政ビルマの権力構造―ネー・ウィン体制下の国家と軍隊1962‐1988 』(2009年、京都大学学術出版会)、『ミャンマー2015年総選挙-アウンサンスーチー新政権はいかに誕生したのか』(2016年、共著、アジア経済研究所)、『ロヒンギャ危機-「民族浄化」の真相』(2021年、中公新書)がある。
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