緑の党のベーアボック党首(c) Foto-berlin.net/ Shutterstock.com

 5月7日にドイツ第2テレビ(ZDF)が発表した世論調査の結果は、衝撃的だった。緑の党の支持率が前月比で5ポイント上昇して26%となり、政権与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の支持率(25%)を追い抜いた。CDU・CSUは逆に支持率を6ポイントも減らしている。世論調査機関フォルサのアンケートでも、緑の党の支持率(28%)は、CDU・CSU(22%)に水を開けた。 

 

 保守党CDU・CSUの支持率が下がっているのは、英国や米国などに比べて新型コロナウイルスワクチンの予防接種が大幅に遅れるなど、アンゲラ・メルケル政権のコロナ対策が混乱し、市民の不満が募っているからだ。CDU・CSUの一部の議員が昨年、省庁にマスクを斡旋する見返りとして民間企業から数十億円単位の仲介手数料を受け取っていた事件も、支持率を減らしている。

 対照的に、緑の党は今年に入ってから上昇気流に乗っている。同党は、今年3月14日にバーデン・ヴュルテンベルク州で行われた州議会選挙で、首位となった。得票率を前回の選挙(2016年)に比べて2.3ポイント増やしている。また同日ラインラント・プファルツ州で行われた州議会選挙でも、緑の党の得票率は前回比で4ポイント増えて9.3%になった。CDUはどちらの州でも前回に比べて得票率を減らしている。

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