今年1月~4月末までの、北朝鮮の政治的な行事(筆者作成)

 北朝鮮が1月に第8回党大会を開いた後、党中央委員会第8期第2回全員会議(総会)、党中央軍事委第8期第1回拡大会議、第1回市・郡党責任書記講習会、党第6回細胞書記大会、金日成・金正日主義青年同盟第10回大会などを開催してきた軌跡を振り返った。

 ここで浮かび上がるのは第一に、党大会で決定した「国家経済発展5カ年計画」の初年経済計画の履行に党指導部が強い危機感を持っていることだ。

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は、第7回党大会で決定した「国家経済発展5カ年戦略」(2016年~20年)が「甚だしく未達成」に終わったことを認めて謝罪したが、同じ誤りを繰り返せないという危機感がある。

 しかし、経済制裁を受けている中で、コロナ防疫や、依然として大きな傷跡を残している水害などを抱えて「自力更生」だけで5カ年計画が成功するとは思えない。党指導部もその危機感を抱いているからこそ、市・郡党責任書記や党細胞責任書記という中間・末端党責任者を集めて、経済計画の貫徹を直接的に働き掛けを行っているといえる。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。