小山田圭吾氏と「はとこ」だとして、それは本人の咎ではないが(伊藤穰一氏、2018年撮影)   ©︎時事

   支持率回復の切り札だった東京オリンピック閉会後、菅義偉内閣の支持率は発足以来の最低を軒並み更新、NHKや朝日新聞の世論調査では30%を切っている。そうしたなか、デジタル改革を掲げた菅義偉首相の目玉政策、「デジタル庁」でも大失態が生じている。9月1日の発足まで半月を残すばかりの現在でも、核となるポスト「デジタル監」が決まっていないのだ。

   デジタル監は、事務次官に相当する事務方トップ。平井卓也デジタル改革担当相を補佐しながら実務を取り仕切る最重要ポストで、平井担当相は民間人から起用する意向を示してきた。8月上旬、「デジタル監に実業家の伊藤穰一氏を起用で最終調整」との報道が各メディアから相次いだことで、ようやく人事が固まったと思われたその矢先、任命権者の菅首相が伊藤氏起用に「待った」をかけたのだ。首相官邸関係者によれば、「これ以上、悪い材料を抱えられない」との事情があったという。一時はクリアできるかに見えた伊藤氏の「過去」が、誤算となった内閣支持率の低下を背景に蒸し返されたのだ。

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