
システム障害について記者会見する、みずほフィナンシャルグループの坂井辰史社長(左)とみずほ銀行の藤原弘治頭取 ⓒ時事
坂井辰史・みずほフィナンシャルグループ社長が5カ年の経営計画を発表したのは2019年5月である。社長就任から1年間をかけて練り上げた。その意気込みを裏付けるように、同氏はこう語った。
「経営計画立案のためにみずほの強み、弱みを調べ尽くした」
果たして、「強み」と「弱み」は何か。それを改めて尋ねてみたのは今年2月19日に開かれた「子会社の銀行、証券会社のトップ人事」に関する記者会見の席上だった。同氏は一瞬間を置いて次のように明言した。
「強みは現場の力であり、弱みはリスクマネジメント」
奇しくも、その9日後にみずほグループで発生したのがシステム障害である。全国のATMネットワークの過半が機能停止してしまったが、その事後の顧客対応にみずほは著しく手間取った。しかも、それへの批判が収まらないうちに、みずほグループでは別のシステム障害が立て続けに発生し、2月から3月にかけて計4度のシステム障害を起こしている。さらには8月19、20日にかけて、再び、営業店の窓口業務ができないシステム障害が起きた。
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