システム障害続発のみずほを蝕む「強権」「従順」「指示待ち体質」

IN-DEPTH【ニュースの深層】

執筆者:浪川攻2021年9月6日
システム障害について記者会見する、みずほフィナンシャルグループの坂井辰史社長(左)とみずほ銀行の藤原弘治頭取 ⓒ時事

 坂井辰史・みずほフィナンシャルグループ社長が5カ年の経営計画を発表したのは2019年5月である。社長就任から1年間をかけて練り上げた。その意気込みを裏付けるように、同氏はこう語った。

「経営計画立案のためにみずほの強み、弱みを調べ尽くした」

 果たして、「強み」と「弱み」は何か。それを改めて尋ねてみたのは今年2月19日に開かれた「子会社の銀行、証券会社のトップ人事」に関する記者会見の席上だった。同氏は一瞬間を置いて次のように明言した。

「強みは現場の力であり、弱みはリスクマネジメント」

 奇しくも、その9日後にみずほグループで発生したのがシステム障害である。全国のATMネットワークの過半が機能停止してしまったが、その事後の顧客対応にみずほは著しく手間取った。しかも、それへの批判が収まらないうちに、みずほグループでは別のシステム障害が立て続けに発生し、2月から3月にかけて計4度のシステム障害を起こしている。さらには8月19、20日にかけて、再び、営業店の窓口業務ができないシステム障害が起きた。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。