システム障害続発のみずほを蝕む「強権」「従順」「指示待ち体質」

IN-DEPTH【ニュースの深層】

執筆者:浪川攻 2021年9月6日
タグ: マネジメント
システム障害について記者会見する、みずほフィナンシャルグループの坂井辰史社長(左)とみずほ銀行の藤原弘治頭取 ⓒ時事
坂井辰史体制が進めた「管理型経営」が生んだのは、大混乱の新施策を誰も止めない組織硬直化ではなかったか。トップの「現場の力」アピールとは真逆の内情。

 坂井辰史・みずほフィナンシャルグループ社長が5カ年の経営計画を発表したのは2019年5月である。社長就任から1年間をかけて練り上げた。その意気込みを裏付けるように、同氏はこう語った。

「経営計画立案のためにみずほの強み、弱みを調べ尽くした」

 果たして、「強み」と「弱み」は何か。それを改めて尋ねてみたのは今年2月19日に開かれた「子会社の銀行、証券会社のトップ人事」に関する記者会見の席上だった。同氏は一瞬間を置いて次のように明言した。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
浪川攻(なみかわおさむ) 1955年東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌などで編集・記者として活躍し、2016年4月フリーに。著書に『証券会社がなくなる日 IFAが「株式投資」を変える』『ザ・ネクストバンカー 次世代の銀行員のかたち』(以上、講談社現代新書)、『地銀衰退の真実 未来に選ばれし金融機関』(PHPビジネス新書)、などがある。
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