野党陣営ではトップを走っていた尹錫悦氏だが、ここにきて検事総長時代の“疑惑”が飛び出し……(C)EPA=時事

 大統領選挙での与党候補争いでトップを走る李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事の人生はかなりドラマティックで、それだけでも人々の関心を引く。

「泥の匙」李在明氏の激動の半生

 1964年12月、慶尚北道安東郡(現在の安東市)礼安面で、5男4女の7番目として生まれた。姉2人は幼くして亡くなり、実質的には5番目として育った。小学校では教科書以外の学用品も買えず、先生に叱られてばかりいたという。

 1976年に小学校を卒業し、一家は貧しさから抜け出すために京畿道城南市に引っ越した。本人は工業団地で少年工として働きながら、中学と高校の卒業資格の検定試験に合格した。その間、プレス機に手首を挟まれるという労災を体験した。このため障害6級の判定を受け、兵役を免除されている。

 1986年に中央大学法学部を卒業、同年司法試験に合格し、司法修習を終えて1989年から弁護士活動を始めた。

 韓国では、生まれの境遇の差を「金の匙」「銀の匙」と呼ぶが、李在明知事は自らを「泥の匙」だと強調する。

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