なぜリスクを甘受したか、に重要な意味がある   ©︎AFP=時事

「認識」しても防げるとは限らない

   早いもので、ニューヨークとワシントンD.C.などを標的に行われた9.11テロ事件から今年で20年になる。この節目の年に米軍はアフガニスタンから完全撤収した。

  しかし、米軍の削減が呼び水となって、20年前に米軍の手で追われたタリバンが攻勢を強めた。アフガニスタン国防軍はタリバンの勢いを食い止めることができず(あるいは食い止めようとせず)、アシュラフ・ガニ大統領の国外脱出もあり、米軍の撤収が完了する前の8月15日に首都カブールが陥落した。空港から離陸する米軍のC-17にアフガニスタンの人々が押し寄せるショッキングな映像が広がったこともあり、「アメリカの失敗」が世界中に印象づけられる結果となった。

   この結果について、「インテリジェンスの失敗」ではないかという指摘がある。つまり、インテリジェンス部門が、アフガニスタン政府や国防軍の実力を過大評価し、またタリバンを過小評価し、それによって政策が誤ったのではないかという批判である。一方で、インテリジェンス部門はスケープゴートにされているとの指摘もある。

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