九月十一日以後の国際論壇は同時多発テロについての議論ばかりである。十月に入りアメリカを中心とする多国籍軍による軍事的反撃が本格的に始まったからには、さらにこの問題が論壇の話題を独占していくのは確実であろう。『エコノミスト』誌社説がいうように、九月十一日に「世界が変わった」のであってみれば当然である。「九月十一日の驚くべき惨劇は、アメリカに対してのみならず文明世界すべての人々に対する宣戦布告とみなされるべき行為であって、その意図からして、かつてハワイで起きたこと(真珠湾攻撃=評者注)よりも、はるかに残酷で、さらにショッキングであった……今週、アメリカは変えられたし、それと同時に世界も変えられた」のであった(“The day the world changed”『エコノミスト』、九月十五日号)。

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