ついに決着したエア・インディアの民営化(C)AFP=時事

 

負債の75%は政府が継承

 インド政府は10月8日、AIとその子会社「エア・インディア・エクスプレス」などの売却先が、タタ・グループの持ち株会社「タタ・サンズ」に決定したと発表した。

 2014年にナレンドラ・モディ政権が発足して以来、初めての民営化案件で、今後の国営電話会社などの民営化や国営石油会社の政府持ち株売却、そして赤字国営企業の整理統合にも弾みがつく可能性がある。

 一方のタタ・グループにすれば、AIはもともとグループ傘下の子会社で1953年にその意に反して「国営化」された経緯がある。実に約70年ぶりの「里帰り」ということになろうか。

 売却計画によると、タタはAI本体と子会社で中東向けの国際線などを運航する「AIエクスプレス」の株式100%、空港での手荷物ハンドリングなどを扱う「エア・インディアSATSエアポート・サービス(AISATS)」の株式50%を計1800億ルピーで取得する。

 今年8月31日時点での債務合計約6156.2億ルピー(約9200億円)のうち、25%に当たる1530億ルピーをタタが負担し、残りの270億ルピーを現金で政府へ支払う。

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