「エア・インディア民営化」でインド航空業界に追い風は吹くか

執筆者:緒方麻也 2021年10月19日
タグ: インド
エリア: アジア
ついに決着したエア・インディアの民営化(C)AFP=時事
長年にわたる経営不振で一時7000億ルピー(約1兆500億円)もの赤字を積み重ねたナショナルフラッグキャリア「エア・インディア(AI)」の民営化が正式に決まった。老舗大財閥「タタ・グループ」が約70年ぶりに「我が子」を買い戻した格好だ。さて、その展望は?

 

負債の75%は政府が継承

 インド政府は10月8日、AIとその子会社「エア・インディア・エクスプレス」などの売却先が、タタ・グループの持ち株会社「タタ・サンズ」に決定したと発表した。

 2014年にナレンドラ・モディ政権が発足して以来、初めての民営化案件で、今後の国営電話会社などの民営化や国営石油会社の政府持ち株売却、そして赤字国営企業の整理統合にも弾みがつく可能性がある。

 一方のタタ・グループにすれば、AIはもともとグループ傘下の子会社で1953年にその意に反して「国営化」された経緯がある。実に約70年ぶりの「里帰り」ということになろうか。

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カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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