髙島頭取は全銀協会長も務めている ©︎時事

 相次ぐシステム障害の結果、坂井辰史社長(62)の退任が一気に固まったみずほフィナンシャルグループ(FG)の動きにかき消されているが、3大銀行グループの一角、三井住友フィナンシャルグループでも首脳人事が風雲急を告げている。グループ中核銀行、三井住友銀行の髙島誠頭取(63)の交代観測が急浮上しているのである。

 発端となったのは、三井住友銀会長職にあった宮田孝一氏の急逝。本人が体調不良を訴えて入院してからわずか1 週間後の10月24日、息を引き取った。死因は膵臓癌。67歳だった。「1カ月前に会った時には、体調不良の兆しなどまったくなかった。訃報は何かの間違いかと思った」(三井系企業首脳)。

 突然の出来事に、三井住友FG内に衝撃が走ったのは言うまでもない。

 宮田氏は1976年に東大法学部を卒業し、旧三井銀行に入行。市場部門で力を発揮し、2000年代前半に不良債権の重荷で倒れかけた三井住友銀を同部門収益で支えた立役者だ。

 11年に三井住友FG社長に就き、銀行頭取に就任した旧住友銀行出身の國部毅氏(67)と共にグループを牽引。17年に社長を退くと、FGと銀行の両会長を兼務したが、19年に銀行会長専任となった。

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