ナデラはCEOとして過去の成功体験をことごとく否定するという難題に取り組んだ   ©︎EPA=時事

   前回は、グーグルの社員たちが実際どのような働き方をしているのかについて紹介した。今回は、企業の盛衰についてそのライフサイクルと絡めて論考するとともに、日本企業の凋落や産業競争力の弱体化について総括してみたい。

マイクロソフトを復活させた「グロースマインドセット」

   企業の浮沈は世の常だが、そこにはビジネススクールの教材になるような多くの学びが存在する。最近、時価総額が300兆円に迫り世界一となったマイクロソフトをGAFAに加えて「GAFAM」と括り直した表記をよく目にするようになったが、マイクロソフトの復活も世界の経営者たちにとって格好の教材の一つだろう。

   私が直接知るマイクロソフトは、ポール・アレンと共に同社を創業したビル・ゲイツとその後継者スティーブ・バルマーの時代だが、インターネットが出現しグーグル等が出てきてから、一時期完全に時代遅れの企業となり、人々の話題にのぼることも少なくなっていた。

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