坂井辰史・みずほFG社長(左)の後任人事が経営見直しの「説得力」を左右する(右は藤原弘治・みずほ銀行頭取=11月26日)   ©︎時事

 一連のシステム障害問題を巡って、金融庁がみずほフィナンシャルグループ(FG)に下した行政処分は予想通りに厳しかった。行政処分で求めた経営責任の明確化として、みずほFGは坂井辰史・同社社長、藤原弘治・みずほ銀行頭取などの引責辞任を余儀なくされた。

   この処分への対処を通じて、みずほFGはいかなる道を歩むのか。それを決めるのは、みずほFG自身である。

役割を果たしていない取締役会

   みずほFGの中核子会社、みずほ銀行は今年2月以降、8度にわたって断続的なシステム障害を発生させた。この前代未聞のお粗末な事態から透けて見えたのは、経営レベルの現場感覚の欠如にほかならない。「メンテナンスこそ重要」(ライバル銀行のシステム担当責任者)であるにもかかわらず、新たな基幹系システム「MINORI」が稼働するや、システム部門を大幅に縮小させ、同時に、システム障害の問題を解決せぬまま過去にない極端な店舗統廃合を強行し、営業現場の混乱は極まった。

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