2011年12月28日、金正日総書記の国葬で霊柩車と歩む金正恩氏[KCNA VIA KNS](C)AFP=時事

 金正日(キム・ジョンイル)総書記が亡くなったのは、2011年12月17日のこと。その2日後の12月19日に死亡が発表され、金正恩(キム・ジョンウン)氏が国家葬儀委員長に就任した。そして同30日、最高司令官に奉じられたことで最高権力の座に就き、金正恩時代が始まった。それから10年が経過した。

 当時の金正恩氏は政治経験もあまりなく、わずか27歳の青年だった。12月28日に雪の降る平壌で行われた永訣式(葬儀)では、金正日総書記の遺体を乗せた霊柩車を8人の幹部たちが囲んだ(冒頭写真)。

 進行方向に向かって右側には金正恩党中央軍事委副委員長、張成沢(チャン・ソンテク)党行政部長(国防委員会副委員長)、金己男(キム・ギナム)党書記、崔泰福(チェ・テボク)党書記という朝鮮労働党幹部が、左側には李英鎬(リ・ヨンホ)軍総参謀長、金永春(キム・ヨンチュン)人民武力部長、金正覚(キム・ジョンガク)軍総政治局第1副局長、禹東則(ウ・ドンチュク)国家安全保衛部第1副部長という軍幹部が並んだ 。この時点では、金正恩氏とともに霊柩車を囲んだ7人が、金正恩体制を支える核心的な幹部とみられた。

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