「金正恩」過去の「歴史化」と永久欠番「党総書記」推戴の意味:執権10年「人民的首領」への道

執筆者:平井久志 2021年12月17日
タグ: 北朝鮮
エリア: アジア
2011年12月28日、金正日総書記の国葬で霊柩車と歩む金正恩氏[KCNA VIA KNS](C)AFP=時事
金正恩党総書記が最高権力の座に就いてから10年。政治経験の乏しさから集団指導体制などが予想されたが、案に相違して絶対権力者へと突き進んだ、その道のりは――。

 金正日(キム・ジョンイル)総書記が亡くなったのは、2011年12月17日のこと。その2日後の12月19日に死亡が発表され、金正恩(キム・ジョンウン)氏が国家葬儀委員長に就任した。そして同30日、最高司令官に奉じられたことで最高権力の座に就き、金正恩時代が始まった。それから10年が経過した。

 当時の金正恩氏は政治経験もあまりなく、わずか27歳の青年だった。12月28日に雪の降る平壌で行われた永訣式(葬儀)では、金正日総書記の遺体を乗せた霊柩車を8人の幹部たちが囲んだ(冒頭写真)。

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カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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