米軍「台湾有事」の机上演習で中国に敗北の衝撃:習近平主席には「内政のリスク」も
2021年12月22日
「台湾有事」をめぐる安倍晋三元首相の先走った発言が注目を集めた。
最初に世間を驚かせたのは12月1日、台湾の民間シンクタンク主催の講演での、
「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある」
という刺激的発言だ。続いて13日の『BS日テレ』の番組では、
「米艦に攻撃があった時には、集団的自衛権の行使もできる『存立危機事態』になる可能性がある」
と言ってのけた。
しかし、冷静な情報分析もせず有事を想定する発言は、やたら危機感を高めるだけだ。
問題は、日本ではメディアも含めて、台湾危機の情勢を冷静に分析した議論がされていないことである。
ここでは、米中両国軍が行ったとされる演習内容などを分析するとともに、中国の最高機密とされ、米情報機関が懸命に探知に努める習近平中国国家主席の真の意図を客観情勢から探っていきたい。
米中とも水陸両用艇で台湾上陸を想定
台湾危機が軍事衝突に発展すれば、どのような戦闘が展開されるのか。『ニューヨーク・タイムズ』が伝えた米中両軍の軍事演習から分析してみたい。中国は実地演習、米国は机上演習と違うが、両国とも中国軍が水陸両用艦で台湾に上陸するシナリオは同じだ。
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