いかに潜在的なニーズを掘り起こして「ハッピーサプライズ」を届けるか。ジョブズの発想は常にそこからスタートした   ©︎AFP=時事

   前回は、マイクロソフト復活のカギが「グロースマインドセット(Growth Mindset)」の醸成にあったことを指摘すると共に、企業の盛衰についてそのライフサイクルと絡めて論考した上で、日本企業の凋落や産業競争力の弱体化について総括した。今回は、企業の活力と経営リーダーの資質について考えてみたい。

スティーブ・ジョブズの「営業嫌い」

   米アップル共同創業者の故スティーブ・ジョブズは生前「マイクロソフトを見てごらん。会社を仕切っているのは営業畑出身のスティーブ・バルマーだろう? だからつまんないんだよ」と言っていたという(『アップル創業者ジョブズが「営業出身の社長はつまらない」と切り捨てた理由』ダイヤモンドオンライン2021年12月12日)。

   会社の経営者には営業畑出身者がいいか技術畑出身者がいいか、文系がいいか理系がいいか、という議論はよく耳にするが、このような議論に意味はあるのだろうか。

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