ドイツ新政権の要職を占めた緑の党の影響力が注目される(ベーアボック外相)   ©︎EPA=時事

   2021年は、加速化する脱炭素化の潮流に加えて、エネルギー価格高騰に関連した問題が国際エネルギー情勢を揺るがせた。原油、天然ガス・LNG(液化天然ガス)、石炭、電力など全てのエネルギー価格が国際市場において、あるいは欧州や中国などの主要地域・国において、需給逼迫の下で同時多発的に高騰する、という未曽有の出来事が世界を揺さぶったのである。

 このエネルギー価格高騰の発生前は、世界のエネルギー問題に関連しては、気候変動問題、あるいはカーボンニュートラルを目指す政策・取組みに集中的に焦点が当たる状況が続いていた。しかし、エネルギーが市民生活や経済活動に必要不可欠の物資であるため、その価格高騰と著しい需給逼迫は、エネルギー安定供給確保の重要性を世界的に改めて再認識させる明白な契機になった。

 その点、2022年においても、エネルギー価格高騰の行方とその影響については要注目である。以下では、エネルギー価格高騰の中でも、原油、天然ガス・LNG、電力市場の問題に焦点を当てて論じてみたい。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。