エネルギー価格高騰が世界の注目を集めている。原油価格は2021年10月にはブレント・WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)共に80ドルの大台を突破し、10月下旬にはブレントは80ドル台後半まで上昇した。原油価格の上昇は世界経済の先行きへの警戒感も生み出している。この背景には基本的には石油需給のタイト化がある。2020年のコロナ禍による需要蒸発から世界経済が回復・需要拡大基調にある中、OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどからなる産油国グループ、OPECプラスが協調減産を持続し、石油在庫は大きく低下してきた。8月末のハリケーンにより米国石油生産が低下したことも価格上昇を加速した。さらに、OPECプラスが油価上昇にどう対応するか世界が注目したが、彼らが増産拡大を見送ったことで、10月に一気に80ドル突破をもたらした。
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