ADAグループを率いる弟のアニル・アンバニ氏(C)EPA=時事

 

 タタ・グループと並び称されたインドの有力財閥「リライアンス・グループ」が創業家兄弟の主導権争いから分裂して15年余――。弟アニル・アンバニ氏(62)が率いるリライアンス・アニル・ディルバイ・アンバニ・グループ(ADAG)の崩壊が決定的となった。

 国家会社法審判所(NCLT)は昨年12月上旬、インド中銀(RBI)の申し立てを受け、債務超過・破産法(IBC)に基づき、ADAGの基幹会社であるノンバンク大手リライアンス・キャピタルの破綻処理開始を承認した。

 これで同グループの破綻企業は、2019年に経営破綻した元携帯電話プロバイダー大手のリライアンス・コミュニケーションズ(RCOM)リライアンス・インフラテルなどに続き、7社目となる。

2006年に円満分割されたリライアンス・グループ

 アンバニ兄弟の父ディルバイ氏がイエメンへの出稼ぎから一代で築いたリライアンスでは、同氏の死後、兄ムケーシュ会長(64)と弟アニル副会長(当時)の確執が表面化した。最終的に2人の母であるコキラベーン氏が仲裁に乗り出し、2006年に兄が主力の石油精製事業などを継承、弟は金融業をはじめ携帯電話やインフラ、電力などのニュービジネスを受け持つことで、グループは「円満」に分割された。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。