新規入国を原則として禁止している日本は異例の存在(全国知事会長の平井伸治鳥取県知事[画面左]らとテレビ会議で意見交換する岸田文雄首相=1日午後、首相官邸) ⓒ時事

 日本のオミクロン株対策が迷走している。広い地域にまん延防止等重点措置を発令し、「鎖国」を続ける日本は異色の存在だ。本稿では、日本の新型コロナウイルス対策の根本的な問題点を解説したい。

少ない日本の感染者数、世界全体ではピークアウト

 まずは日本の感染者数だ。図1は、英オックスフォード大学が提供するデータベース「Our World in Data」を用いて、筆者が分析したものだ。1月28日現在の日本の人口100万人あたりの感染者数は502人(1週間平均)で、経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中、6番目に少ない。

【図1】

 

 最も多いイスラエル(8528人)、デンマーク(7778人)の17分の1、15分の1だ。英国、米国のピークは、1月5日の2681人、1月15日の2411人で、現在の日本の約5倍だ。欧米諸国と比べて、日本の感染者数は少ない。

 では、各国の感染拡大の勢いはどうだろう。38カ国中、10カ国(イスラエル、仏、伊、スペイン、米、英、アイルランド、フィンランド、カナダ、コロンビア)では、3日間以上感染者数の低下が続き、その後、再増加に転じていない。北米と西欧を中心にピークを越えたと考えられる。

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