ぬるま湯に浸かった業者を守っていては、日本はカーボンニュートラルに遅れるばかり(21年5月21日、G7気候・環境相会合で発言する小泉進次郎環境相=当時) (C)時事、環境省提供

「風力発電がカーボンニュートラルの成否を決める。先ほど河野(太郎・前規制改革担当大臣)さん、秋本(真利・衆議院議員)さんから話が出たように、今回(の洋上風力発電基地の開発権の入札では)、三菱商事が3件総取りとなった。が、(同社の)運転開始は早くて2028年だ。(これに対して、)他の事業者はそれより早い運転開始を掲げて応札したのに勝てなかった」――。

 こう述べて、2月3日に開催された自民党の総合エネルギー戦略調査会で、政府の進める洋上風力発電所を建設する権利の入札制度に欠陥があると決めつけたのは、小泉進次郎・前環境大臣だ。

 政府が去年のクリスマス・イブ(12月24日)に、千葉沖と秋田沖の3つの海域の洋上風力発電基地の開発権の入札結果を発表し、三菱商事が3海域すべてで2番札に1kWhあたり5円以上という大差をつけて総取りしたことが明らかになると、自民党の再生可能エネルギー議員たちは、まるで蜂の巣をつついたような騒ぎになった。

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