重電御三家「総崩れ」で求められる「再生可能エネルギー」戦略

原発事業についてメディアを呆れさせる発言を繰り返す世耕弘成経産相(右)と経団連の中西宏明会長(C)時事

 

 英国での原子力発電事業計画から事実上撤退を決めた日立製作所が、今度は風力発電機生産からも手を引くと発表した。

 歴代政権と経済産業省が推進してきた「原子力立国計画」や、原発事故後の福島の再生を担った「浮体式洋上風力発電システム実証研究プロジェクト」などの失敗が次々に表面化。官主導の的外れなエネルギー戦略に安易に乗ったツケの支払いに追われている形だが、これは何も日立に限ったことではない。

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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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