ゼレンスキー大統領は今も戦闘機の供与を求めている(C)AFP=時事

 

 ウクライナの戦局が膠着状態に陥る中、ロシアによる生物・化学兵器使用への「対抗措置」に、ジョー・バイデン米大統領が言及する機会が増えてきた。3月24日のG7サミット(先進7カ国首脳会合)出席後の発言が注目されるが、バイデン氏は同21日にも「(ウラジーミル・プーチン大統領に)生物・化学兵器の使用を検討している確かな兆しがある」と発言している。

 ある日米関係筋は、「バイデン氏の発言は単なる警戒や引き締めではない。(批判をかわすために同盟国の)ベラルーシに使わせるシナリオがあることもキャッチしている」と明かす。また、米ロの直接衝突を避けるため、米国がイスラエルを使ってウクライナに戦闘機を供与するとの情報もあるようだ。

 ウクライナへの戦闘機供与は、ポーランドが自国のミグ29戦闘機を米軍を通して供与する提案をしたものの、ロシア側に「参戦」と見做されるリスクを不安視した米国が却下したという経緯がある。この水面下には、ポーランドがヴォロディミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領の亡命を受け入れる構想もあったようだ。「亡命先候補の1番手がポーランドで、無理なら英国という筋書きが練られていた」(国際安全保障筋)。ポーランドが戦闘機供与で「米国経由」を主張したのは、ゼレンスキー受け入れというリスクを負う以上は米国の“覚悟”を求めたからに他ならない。

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