ウクライナ支持を鮮明にするポーランドは自由・民主主義体制の勇敢な支援者か?

執筆者:市川顕 2022年3月16日
エリア: ヨーロッパ
ウクライナ支持を鮮明にするポーランドのモラヴィエツキ首相=2019年8月に行われたゼレンスキー大統領との首脳会談(C)EPA=時事
ロシアのウクライナ侵攻を巡って欧州の議論を先導しているポーランドだが、ロシアへの「強い対応」とウクライナへの「優しい対応」が、最大与党「法と正義」の支持層を拡大するポピュリスティックな契機になっている、という穿った見方もできないわけではない。

 

 2022年2月24日早朝、ウラジーミル・プーチン露大統領はウクライナ東部のロシア系住民の保護を理由に「特殊軍事作戦」の開始を宣言した。戦線は同国東部にとどまらず、首都キエフや第2の都市ハリコフなどに拡大した。

 このロシアによるウクライナ侵攻が進むにしたがい注目されるようになったのは、NATO(北大西洋条約機構)およびEU(欧州連合)加盟国の隣国ポーランド政府の対応である。マス・メディアもウクライナからの難民が大量にポーランドに移動するにしたがい、ポーランド国内の様子や同国政府の対応を報道するようになった。

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カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
市川顕(いちかわあきら) 東洋大学国際学部教授、博士(政策・メディア)。専門はEU政治 、グローバル・ガバナンス論、国際関係論。慶應義塾大学総合政策学部卒業。東京工業大学産官学連携研究員、関西学院大学産業研究所准教授などを経て2020年4月より現職。著書に『EUの社会経済と産業 』(2015年/関西学院大学産業研究所)、『ASEAN経済共同体の成立』(中央経済社/2017年)、共著に『EUの規範とパワー 』(中央経済社/2021年)、『世界変動と脱EU/超EU』(日本経済評論社/2022年)などがある。
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