プーチン大統領が怒りの「粛軍」

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2022年3月30日
ロシア国防省が3月26日に公開した動画に登場した、ショイグ国防相 (C)AFP=時事

 ウクライナ攻略作戦を指揮するロシアのセルゲイ・ショイグ国防相(66)の存在感が希薄だ。病気説や失脚説も流れる。ワレリー・ゲラシモフ参謀総長(66)も公の場に登場せず、軍二大トップの「不在」はウクライナ作戦失敗とも関係がありそうだ。

 ショイグ氏は3月11日の安全保障会議から2週間、雲隠れした。24日のオンライン形式の安保会議で報告を行ったが、映像が乱れ、過去の報告との説も出た。その後、国防省会議を主宰したが、公開されたのは同省提供の映像だった。心臓発作で倒れたとの未確認情報も流れた。

 ショイグ氏は毎夏、ウラジーミル・プーチン大統領とシベリアで休暇を過ごし、後継ナンバー1ともいわれた実力者。しかし、昨年来、大型汚職事件で検察の捜査を受けているとの未確認情報もあった。ウクライナ侵攻では、将軍7人を含む大量の戦死者を出し、キエフ攻略に失敗。戦況発表では、次官らに記者対応を任せている。

 ショイグ氏の娘は孫とともに、黄色と青のウクライナ国旗色の服を着てSNSで発信し、「ウクライナ擁護」を演出。家庭内反乱かと話題になった。

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