トランプ氏らの“プーチン賛美”は、今後の選挙戦略に障害となる可能性も (C)EPA=時事

ウクライナ侵攻で再認識された「ロシアの反自由主義工作」

 アメリカのドナルド・トランプ前大統領は、2月24日のウクライナ本格侵攻直前までロシア軍による同国包囲作戦をとるウラジーミル・プーチン大統領を「賢い、天才的だ」と褒めそやしてきた。そのため、侵攻開始後、批判のやり玉に挙がっている。トランプだけでない。保守系ケーブルテレビFOXニュースの人気キャスター、タッカー・カールソンや、ラストベルト(錆び付いた工業地帯)の白人貧困層の生活を描き邦訳も出て評判となったJ・D・バンスらトランプ派の論客らも、同様にプーチン讃美が批判の的となった。

 トランプを筆頭にカールソン、バンスも2024年大統領選挙共和党候補選びへの出馬の観測があり、バンスは一足先に今秋の中間選挙で上院議員(オハイオ州)を目指し出馬している。だが、プーチン称賛やウクライナ批判発言が、「孤立主義」などを掲げナショナリスト・ポピュリズム(国民主義ポピュリズム)の波に乗って登場したトランプら新しい右派の今後の選挙戦略にとって障害になりかねない。

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