異端化する「右派ポピュリズム」とリベラリズムの反撃:ウクライナ侵攻の「思想地政学」(前編)

トランプ氏らの“プーチン賛美”は、今後の選挙戦略に障害となる可能性も (C)EPA=時事
2012年に大統領として再登板したプーチンは、西側のリベラリズムによって二等国に貶められたという歴史観から「ロシアの保守主義」を打ち立てた。それは国内外からのレジーム・チェンジあるいは自由主義圧力を攻撃することでイデオロギーとしての力を獲得し、2014年のクリミア併合、ドネツク・ルガンスク独立宣言へと具現化された。西欧右翼政党や東欧右翼政権、そして“トランプのアメリカ”にも共有されるこの反自由主義思想潮流は、ウクライナ侵攻によって断罪される。(この記事の後編は、こちらのリンク先からお読みいただけます

ウクライナ侵攻で再認識された「ロシアの反自由主義工作」

 アメリカのドナルド・トランプ前大統領は、2月24日のウクライナ本格侵攻直前までロシア軍による同国包囲作戦をとるウラジーミル・プーチン大統領を「賢い、天才的だ」と褒めそやしてきた。そのため、侵攻開始後、批判のやり玉に挙がっている。トランプだけでない。保守系ケーブルテレビFOXニュースの人気キャスター、タッカー・カールソンや、ラストベルト(錆び付いた工業地帯)の白人貧困層の生活を描き邦訳も出て評判となったJ・D・バンスらトランプ派の論客らも、同様にプーチン讃美が批判の的となった。

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カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
会田弘継 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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