女子教育の再開を求めるアフガニスタンの女性たち(C)AFP=時事

 

 昨年8月に再び実権を掌握したタリバンは、暫定政権を発足させ国の統治を担い始めているが、多くの争点を抱えている。主な争点には、女性や子どもや少数民族など「脆弱な立場に置かれた人々」への処遇、これに伴う難民流出の動き、強制家宅捜索、及び、メディアの活動規制などが含まれる。

 とりわけ、アフガニスタン国内外で波紋を呼んでいるのが、本年3月23日に女子教育再開を撤回したタリバン指導部の決定である。ナウルーズ(アフガン暦新年の元日)の3月21日を経て、学校の再開を待ちわびていた女子生徒らが一度は登校したものの、学校から帰宅を告げられ、泣きながら家路につく胸の痛む映像が伝えられた。

 タリバン指導部は、何故、一度は認めた女子教育の再開を初日に撤回したのだろうか? 現在、アフガニスタンで暮らす人々の日常生活はどのようになっているのだろうか? 本稿では、これらの疑問に答えつつ、アフガニスタンの今を微力ながら描き出したいと思う。

期待が高まった女子教育の再開

 タリバンはアシュラフ・ガニー政権崩壊後の混乱の中、男女の教育を一時停止した。その後の9月18日、男子生徒の登校を再開させた。しかし、女子生徒については、環境とカリキュラムが整えば再開するとの方針を示した一方、登校を許可しなかった。

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