アフガン「タリバン政権」が内部に抱える「路線対立」「部族間対立」

執筆者:青木健太 2021年9月18日
エリア: 中東
なぜバラーダル幹部は首相代行に就かなかったのか(C)AFP=時事
大方の予想を覆し、首相代行ではなく副首相代行に就任したバラーダル副指導者兼政治局長。背景には深刻な内部対立があるという。タリバン政権に早くも暗雲が垂れ込めている。

 

 タリバンが発表した暫定内閣が、波紋を呼んでいる。2021年9月7日に暫定内閣33ポストを発表し、国の新たな統治主体としての歩みを始めた。しかし、閣僚はタリバン構成員のみで占められ、「包摂的な政府」と呼ぶには程遠いものだった。最大民族パシュトゥーン人がほとんどで(注:タジク人2名、ウズベク人1名は入閣)、女性閣僚の顔ぶれも見られなかった。

 今回、タリバンが権力を独占する暫定内閣には、各国から厳しい反応が寄せられている。9月11日に予定されていた、中国、ロシア、イラン、パキスタン、カタール、トルコが招待された暫定政権発足式も、当面見合わせとなった。今後を占う上で、どうして暫定内閣発表がこのタイミングになったのか、閣僚リストから見えるタリバン内部の対立構造、そして今後への影響、を検討する作業が必要である。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
青木健太(あおきけんた) 笹川平和財団和平調停センター主任研究員 1979年東京生まれ。上智大学卒業、英ブラッドフォード大学大学院平和学部修士課程修了。専門は、現代アフガニスタン・イラン政治。中東調査会研究主幹、国連アフガニスタン支援ミッション政務官など歴任。著作に『タリバン台頭』(岩波書店、2022年)、『アフガニスタンの素顔』(光文社、2023年)、『中東ユーラシアから世界を読む』(岩波書店、2025年、共編)他。
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