AAP党首でデリーのチーフ・ミニスターであるアルビンド・ケジリワル氏(右)と、パンジャブ州首相に就任したバグワント・シン・マン氏(同党のツイッターより)

 

 2022年2~3月にかけて、インドでは北部ウッタルプラデシュ、西北部パンジャブなど5州で州議会選が行われた。

 このうち人口2億3000万人を擁するインド最大のウッタルプラデシュ州では、ナレンドラ・モディ首相率いる連邦与党・インド人民党(BJP)が大勝し、ヒンドゥー聖職者出身のヨギ・アディティヤナート州首相(チーフ・ミニスター、県知事に相当)の続投が決まった。被差別カーストのうち不可触民(ダリット)を除く「その他後進カースト(OBC)」やイスラム教徒を主な支持基盤とする野党・社会主義党(SP)は大きく議席を伸ばしたものの、政権交代には届かなかった。

 これにより、モディ首相率いるBJP は2024年春に予定されている次期総選挙での「3連勝」に向けて大きく前進したと言えるだろう。

 今回の選挙では、インド政治史の大きな節目となりそうな出来事もあった。

 ネール・ガンディー家の主導で長年インドに君臨してきた老舗政党・国民会議派(コングレス党)の衰退が決定的となる一方、新興政党・庶民党(AAP)が西北部パンジャブ州議会選で圧勝し、「野党の盟主」として名乗りを上げた。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。