異例の長期政権を維持するオルバン首相(C)AFP=時事

 

 4月3日、ロシアから侵攻を受けるウクライナの隣国・ハンガリーにおいて、国会議員選挙が4年ぶりに実施された。わが国と違って一院制を敷くハンガリーであるが、小選挙区制と比例代表制を並立させる方式は同じである。

 議員定数199のうち、現職のオルバン・ビクトル首相が率いる与党「フィデス-キリスト教民主人民党」が3分の2を上回る135議席を得て勝利する結果となった。

 目下58歳となるオルバンが初めて首相に就いたのは、1998年のことである。2002年にいったん下野したものの、2010年に返り咲くと、続く2014年と2018年の選挙でも勝利。今回をもって連続4回、通算で5回の勝利となり、首相として17年目に突入する。

 今回の勝利が見逃せないのは、あらためて権威主義ならびにポピュリズムの根強さを思い知らされた点である。それはしかも、ウラジーミル・プーチンのウクライナ侵攻で自由主義陣営が巻き返しを図る中での出来事であった。

解体された法の支配

 現在のハンガリーは、「EUで唯一の権威主義国」(V-Dem研究所)という評価が定着しつつある(ポーランド等も権威主義化しつつあるが、ここではさておく)。

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