ハンガリー「オルバン5選」が自由主義陣営に突き付けるもの

執筆者:山本直 2022年4月8日
タグ: 権威主義
エリア: ヨーロッパ
異例の長期政権を維持するオルバン首相(C)AFP=時事
ロシアのウクライナ侵攻に対して自由主義陣営が巻き返しを図るなか、権威主義的傾向を強めるハンガリーの総選挙でオルバン政権与党が圧勝した。なぜオルバン首相は支持を集め続けるのか。衝撃の結果を分析する。

 

 4月3日、ロシアから侵攻を受けるウクライナの隣国・ハンガリーにおいて、国会議員選挙が4年ぶりに実施された。わが国と違って一院制を敷くハンガリーであるが、小選挙区制と比例代表制を並立させる方式は同じである。

 議員定数199のうち、現職のオルバン・ビクトル首相が率いる与党「フィデス-キリスト教民主人民党」が3分の2を上回る135議席を得て勝利する結果となった。

 目下58歳となるオルバンが初めて首相に就いたのは、1998年のことである。2002年にいったん下野したものの、2010年に返り咲くと、続く2014年と2018年の選挙でも勝利。今回をもって連続4回、通算で5回の勝利となり、首相として17年目に突入する。

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カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
山本直(やまもとただし) 日本大学法学部教授。国際政治学、EU・ヨーロッパ研究。著書に『EU人権政策』(成文堂、2011年)、『EU共同体のゆくえ』(ミネルヴァ書房、2018年)、『欧州統合史』(共著、ミネルヴァ書房、2019年)、『EU欧州統合の現在』第4版(共著、創元社、2020)など。
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