バルト3国の大統領とともにウクライナを訪れたポーランドのドゥダ大統領(左)は政治や軍事面での支援を約束した(4月13日、キーウ)  (C)AFP=時事

   ウクライナへのロシアの侵略により、ポーランドは戦場と隣り合わせの欧州安全保障の最前線に立つことになった。米軍の追加派兵を受け入れ、ウクライナへの北大西洋条約機構(NATO)の重要な補給拠点ともなっている。ポーランドがかねて示してきたロシアに対する厳しい脅威認識にNATO全体の認識が近づくことも含め、欧州の安全保障における同国の比重は増すことになるだろう。

   筆者は3月30日~4月9日、ポーランド南部クラクフ、国境の町プシェミシル、首都ワルシャワを訪問して、ウクライナ避難民の現状を取材するとともに、安全保障問題を中心にポーランド人外交専門家の話を聞いた。

ポーランドとウクライナの安全保障は不即不離

   ポーランドはウクライナ独立(1991年)を世界で初めて承認し、第2次世界大戦中のウクライナ独立運動に関して対立する歴史認識問題(ウクライナ蜂起軍によるポーランド人の虐殺事件などがある)を抱えるものの、独立直後からウクライナのNATO、EU(欧州連合)加盟希望を支持し続けてきた。2014年のロシアによるクリミア併合の際も多数の難民を受け入れるなど、ウクライナの最大の後ろ盾となってきたと言っていいだろう。

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