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   今年に入り、ウクライナ情勢インフレ、金利上昇等で株式市場は低迷が続いている。日経平均株価は昨年秋に3万円を超えたが、今年の3月には2万5000円を割り込む場面もあった。近年は日本でもアメリカ株ブームだが、日本の個人投資家は日本株とどう向き合えば良いのだろうか。

「ホームカントリーバイアス」から自由になる

   自身の運用資産に占める海外株式や日本株式の配分を考える時、ホームカントリーバイアスという言葉を聞いたことがあるだろうか。ホームカントリーバイアスとは自分にとって身近な国の株式を多めに配分してしまうというものだ。例えば、あなたが友人にどの国の株式を多く保有しているか聞いたとしよう。「ほとんどがニュージーランド株だ」と言われたら「なんで?」となるだろう。しかし、この会話がニュージーランド人同士のものだったら違和感はないかもしれない。このホームカントリーバイアスの影響で日本人は自身の保有株式の中で日本株を多く持つことになる。

   実際、私自身の経験でも、証券会社勤務の頃からファイナンシャルアドバイザーの仕事をしている今まで見てきた日本の個人投資家の多くは、個別株式はやはり日本株を保有することが圧倒的に多い。バブルが崩壊した1990年からアベノミクスが始まる2012年末まで長らく日本株は低迷し、1989年末の史上最高値3万8915円から7000円台まで下落した。一方、海外先進国株式は同じ期間に何倍にもなったため、日本株だけで株式投資をしてきた人にとってはホームカントリーバイアスがネガティブな結果をもたらしたことになる。したがって、私も「日本株に偏りすぎない方が良いですよ」とアドバイスしてきた。

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