大統領と「景気より物価」で共同歩調? インフレ「究極的な痛み」回避を宣言したFRBの真意

執筆者:滝田洋一 2022年5月17日
エリア: 北米
4月の米雇用統計で「平均時給」は前年同月比5.5%増、しかし3月の米消費者物価上昇率も同8.5%を記録した。雇用の強さと物価上昇のデッドヒートが続いている(写真はパウエルFRB議長=5月4日)  (C)EPA=時事
5月3〜4日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で決まった利上げを、米株式市場はまず大幅高で迎え、追って連続的な下落で受け止め直した。円換算の平均時給が4000円を超えた賃金インフレに資源インフレも加わる中、米経済の環境は軟着陸の夢想を許さない。一方、ゼロコロナ政策がいよいよ行き詰まる中国では、生産、物流、人流の停止が世界的なサプライチェーンに深刻な影響を及ぼしている。

下げ相場を演出した「2人のP」

 Sell in May(5月の売り)。相場格言を地で行くように、世界の株式市場が調整局面に入っている。なかでもニューヨーク・ダウ工業株30種平均は5月13日で終わる週まで、7週連続で下落した。週間続落記録としては、ITバブル崩壊を受けた2001年5~7月以来、21年ぶりの長さとなった。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
滝田洋一 1957年千葉県生れ。日本経済新聞社特任編集委員。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」解説キャスター。慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程修了後、1981年日本経済新聞社入社。金融部、チューリヒ支局、経済部編集委員、米州総局編集委員などを経て現職。リーマン・ショックに伴う世界金融危機の報道で2008年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。複雑な世界経済、金融マーケットを平易な言葉で分かりやすく解説・分析、大胆な予想も。近著に『世界経済大乱』『世界経済 チキンゲームの罠』『コロナクライシス』など。
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