スターリン時代の粛清機関に近づくロシア連邦保安庁「FSB」

Foresight World Watcher's 4Tips

執筆者:フォーサイト編集部2022年7月29日
ロシア・ウクライナ戦争での任務失敗がFSBにもたらした変化とは(C)demerzel21/stock.adobe.com

 

 今週もお疲れ様でした。今週はFA誌サイトの「最も読まれている記事」ランキングから2本を紹介。ロシア・ウクライナ戦争下で恐怖政治の実行部隊となりつつある連邦保安庁(FSB)について論じた「プーチンの新たな国家警察」と、秋の共産党大会後の習近平外交に関する「より大胆になる習近平について予測できること」です。フォーサイト編集部が週末に熟読したい記事4本、皆様もよろしければご一緒に。Hope you have a great weekend!

What to Expect From a Bolder Xi Jinping【Yun Sun/Foreign Affairs/7月28日付】

「習近平は今年、近隣諸国や敵対国との緊張を激化させるような重大な外交政策を避けている。最も重要なのは、中国が紛争に巻き込まれることで、現在の習近平の最優先課題である国内の政治闘争から目を逸らしたり立場が弱まったりすることを避けたいということだ。米国の台湾への支援強化といった挑発行為に対する中国の反応は、今年に入ってから比較的穏やかになっている。[ナンシー・]ペロシ米下院議長の台湾訪問が実現すれば、中国の軍事的な反応を引き起こす可能性はあるものの、中国がこの機会を利用して台湾を攻撃する可能性はきわめて低い」

 ……と説くのは米スティムソン・センターの東アジアプログラム上級研究員、ユン・スン。米「フォーリン・アフェアーズ(FA)に寄せた「より大胆になる習近平について予測できること」(7月28日付)でまず、ここしばらく中国が外交面でおとなしいことを指摘する。それは対米関係に限らない。

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