新局面に入った情報管理と政治的締め付け:「政治と経済の相克」が習近平を追い詰める

執筆者:宮本雄二 2022年7月27日
タグ: 中国 習近平
エリア: アジア
2022年第2四半期(4~6月)のGDP成長率は0.4%と景気の急減速がさらに顕著に[7月15日、南京](C)CFoto/時事通信フォト
秋の党大会が近づくにつれて、北京からは文革後にも似た緊張が伝わってくる。景気失速はもはや明白、政治優先で権力基盤を強化した習近平は窮地にある。中国共産党が革命党から政権党に変身した1949年から抱える「政治と経済の相克」は、習近平に経済という難問から逃れることを許さない。

 中国共産党第20回党大会は、本年10月もしくは11月に開かれる予定だ。党大会の開催は、毛沢東時代はかなり不定期だったが、鄧小平となってから党規約に従い5年に1度、それも秋(9月~11月)に開かれるようになった。

   ただ、トップが交代した2002年及び2012年のみ11月に入ってからの開催となっている。調整を要する事項が多いからだろう。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
宮本雄二(みやもとゆうじ) 宮本アジア研究所代表、元駐中国特命全権大使。1946年福岡県生まれ。69年京都大学法学部卒業後、外務省入省。78年国際連合日本政府代表部一等書記官、81年在中華人民共和国日本国大使館一等書記官、83年欧亜局ソヴィエト連邦課首席事務官、85年国際連合局軍縮課長、87年大臣官房外務大臣秘書官。89 年情報調査局企画課長、90年アジア局中国課長、91年英国国際戦略問題研究所(IISS)研究員、92年外務省研修所副所長、94年在アトランタ日本国総領事館総領事。97年在中華人民共和国日本国大使館特命全権公使、2001年軍備管理・科学審議官(大使)、02年在ミャンマー連邦日本国大使館特命全権大使、04年特命全権大使(沖縄担当)、2006年在中華人民共和国日本国大使館特命全権大使。2010年退官。現在、宮本アジア研究所代表、日本アジア共同体文化協力機構(JACCCO)理事長、日中友好会館会長代行。著書に『これから、中国とどう付き合うか』『激変ミャンマーを読み解く』『習近平の中国』『強硬外交を反省する中国』『日中の失敗の本質 新時代の中国との付き合い方』『2035年の中国―習近平路線は生き残るか―』などがある。
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